第3回定期ミーティングの内容まとめ

9/24に行われました第3回定期ミーティングの内容を、こちらにてシェアさせていただきます。

 

今回は、以前よりミーティングにて告知されていましたAdult Children of Divorce」(親の離婚を経験したかつての子どもたち)の翻訳企画の概要説明と、それに伴い、今まで対話中心で行われていたミーティング形式の一部を、変更することについて話し合いました。

 

なお、初めに予定されていた「あなたのターゲットを知る」というテーマのワークは、翻訳企画の対象者とそのまま重なるため、今回は割愛させていただきました。


なぜこの企画を我々の団体で行うのか?

 

本の内容が、“親の離婚を経験したかつての子どもたち”を対象に、離婚に瀕した悩みなどの影響を乗り越え、幸せを掴むための参考書として書かれております。

親の離婚を経験した当事者で、かつ現在大人となった人を対象にした本は、日本においてそこまで存在しておりません。

ですので、我々自身がこの本の翻訳作業を通して、自らの変化と成長を感じ取っていけたらという趣旨で始めさせていただくことになりました。

 

 

詳細な内容

 

簡単にですが、前書きの部分と目次を翻訳してみたので、こちらで紹介させていただきます。

 

前書き

離婚――この言葉はあなたの心に、やさしさや暖かさや、悲しみや哀れみにまつわる思考や感情を引き起こしますか? あるいは、あなたの心に怒りや争いごとや敵意や危険といった記憶を思い起こさせますか?  
両親の離婚の記憶は、あなた自身に関する感情や、重要な人間関係に対する恐れに影響を与えることがあります。 

この本はあなたが親の離婚とその影響について考え、あなた自身の人生と重要な人間関係に役立つようにと書かれました。 
あなたは、遠い過去に生じたあなたの両親の決断や行動のために、いまだに犠牲になっていると感じる必要はありません。 

傷を癒やすのは、今からでも遅くはありません。 
私たちは、あなたがこれまでの人生を振り返り、健康的で満ち足りた人間関係をもって生きられるようにとこの本を書きました。 

心理臨床家として、私たちはこれまで悲惨な離婚に対処しようとする家族の支援にかかわってきました。 
そして、彼ら“子どもたち”が、今では一人のおとなとして、彼ら自身の健全な人間関係と自己肯定感を得るために、長く続く両親の離婚の影響と格闘する姿を見てきました。 

この本は、あなたの以下のような課題を解決するのに役立ちます。 

●離婚時に両親や家族システムがおかしやすい過ちについて理解する。 
●あなたの両親が決めたことやなしたことに、いつまでも被害者意識を持つ必要がないことを認識する。 
●あなたが子ども時代に身につけた(思考・感情・行動の)古いパターンを打ち破るための強固な戦略を築く。 
●親の離婚を経験した子どもとして育ったことで、何かしら良い点もあったことを見出す。 
●あなたがあなた自身の健康的な人間関係を持つことに希望をもち、そのために必要なことを学習する。 
●人生をコントロールすることによって生じるポジティブな変化の効果を理解する。 

この本の使い方 

 第1部では、両親の離婚に巻きこまれることで受ける(時にはおとなになっても続く)影響とその原因について論じます。親の離婚の恐ろしさや複雑さ、その時親と子どもが抱く感情、あなたが子どもとして強い衝撃を受けたドラマやトラウマについても考察します。 
この部分は、続く第2部への導入部ですので、まずはじめに読んでください。 

第2部は“ハウ・ツー”の部分です。ここでは、あなた自身の感情をケアすること、親との関係を修復すること、健全な人間関係のつくりかた、パートナーと親密にかかわること、健康的で愛に満ちた環境で子どもを育てることなどに焦点をあてています。 

 この本は、あなたが子ども時代に学びそこねたことについて、これから学ぶためのマニュアル本です。ここに書かれた貴重な知識は、永久に失われるべきではありません。 
あなたは今まさに、自分を肯定し、今の人間関係のなかであなたのなす選択についてよく理解するための旅に乗り出すところです。 

この本を使って必要なスキルを学ぶことで、最終的には子ども時代の体験や傷に区切りをつけて、あなた自身がつくる充実感と喜びに満ちたおとなとしての人生へ進んでゆけると信じています。 

 

 

目次

1部 親の離婚のインパクト

 

1章 私に何が起こったの?

数えきれないほどの選択に直面して  

あなたは「不健康な離婚」を経験したのか? 

「闘争嗜癖」:相手と争うことにとらわれてしまう

「健康的な離婚」なんて、はたして存在するのか?

あなたはいつでも「親の離婚の犠牲者」ですか?

よりよい家族関係  幸せな両親  自己信頼

将来への希望

 

2章 離婚をめぐる感情

離婚に際して、親と子双方がもつ感情について

親の感情

離婚で親がどんな感情を体験するかを理解する

子どもの感情

 

3章 ドラマか、トラウマか?

親の「闘争嗜癖」(闘争依存)

・もう一方の親とのポジティブなコミュニケーションが、極めてわずかしかないか、あるいはまったく存在しない   ・果てしない法廷での闘争など

 

片親疎外

その影響

その他の離婚にまつわるドラマ

その他のトラウマと喪失

 

4章 忠誠葛藤:どちらを選ぶか

選択の種類

・どこに住むか?  ・誰と住むか?  ・どこの学校に行けばよいか?他

忠誠心:最も難しい選択

秘密を持つこと

例「お父さんの“新しいお友だち”が昨晩ベッドルームに泊まっていったことは、お母さんには内緒にしておいて」

忠誠葛藤の影響

不安  怒り  うつ  罪の感情  低い自己評価  親子関係への不信頼

愛情面での人間関係への影響

 

5章 親との新しい関係

新しいファミリーユニット

母(父)対相手の男性(女性)

「新しいお友だち」?

 

 

2部 親の離婚からの回復:新しい人間関係のスキルを身につける

 

6章 自分を大切にする

痛みを手放す

罪の意識を捨てる

アンガー・マネジメント(怒りを処理する)と許し

犠牲者意識を手放す

自尊心をつくる

 

7章 親との関係をつくり直す

あなた自身の問題に取り組む

親へのアプローチ戦略  親との関係で何を成し遂げたいか?  

片親疎外を乗り越える

疎外親への対処の仕方――特異な状況

現時点での忠誠葛藤を避ける

詳細な情報を明確にやり取りすること  一に計画、二に計画  限界と境界線を維持する

 

8章 健康的な人間関係へのガイドライン

良いこと悪いこと  境界線  信頼  開放性  あなたの職場環境  友人と家族

変化はあなた自身の力の中にある

 

9章 あなたの人生における愛について振り返る

親密さと傷つきやすさ  カメレオンのように自分を変化させる  相手を試す  

 

10章 子どもをもつこと:親になることへの希望を取り戻す

親としてのあなたをサポートするシステムをつくる

パートナーと共同して子育てをする

愛を示す

健康的な親子関係をつくる 

信頼をつくる  無条件の愛を示す  限界を設定する  健康的な境界線を維持する  子どもを尊重する  「子どもの価値」と「子どもの成果」とを区別する

「独立したリスク・テイカー」に育てよう

あなたの子どもとの健康的な「大人同士としての親子関係」

サポートを提供する 子どもと楽しみを共有する 子どもに居場所を与える お金のことで対立しない  信頼関係を維持する  “Yes,but(うんそうだね、でも)”を言わない

子どもに「愛している」と伝えよう

 

結論


以上が概略をまとめたものとなります。

なお、本の中身がアメリカの風土や文化に根差したものとなっているので、このあたりは日本国内の事情でどのように当てはめていくかを考えているところです。

 

・ステップファミリー(再婚家庭)に対する寛容性の違い⇔日本よりステップファミリーの存在が普遍的

・神の存在、一神教の国における基本的な考え方がベース日本でいうご先祖様、自然への敬い?

 

また、本の内容が親の方が読んでも参考となる部分も多く見られるため、別途で子どもだけに対象を絞らないイベントを開催するのもどうかなどの意見も出ました。

 

今後はこの本の内容を理解するのに即した学習会(=講義形式)のスタイルで、ミーティングを進めていきたいと考えております。

 

大人になるには、人生の様々なことを受け入れ、自ら感情をコントロールして穏やかに生きていけるようになる力が必要だと思います。

翻訳を通した学習会を続ける中で、参加者それぞれが自らの明日を作っていく前向きな気持ちを獲得していっていただけたら幸いです。

 

次回以降のミーティングはまた後ほど告知いたします。

長くなりましたが、それではまた