5/27に第6回のミーティングが行われました。
今回はそこで話し合われた内容をまとめ、皆さんと共有できればと思います。
※これらのことは、あくまで個人間で話し合われた意見であり、当事者全員に当てはまることではないということもご了承いただければと思います。
概要
今回の内容は、「親の離婚について改めて捉え直す」ということをテーマでした。
当事者の方にとって、親の離婚というものは嫌な思い出や経験の積み重ねだと思います
が、時としてその経験はポジティブな部分もあり、そこにも注目してみると新しい発見に繋がるかもしれないということをいくつか学びました。
子どものために重要なこと
今回ミーティング全体の感想としていただいた意見は
まずは、心身ともに親自身が健全であること
ということでした。
子どもは両親やその周りの環境から多大な影響を受けて、成長しておりますが、いい影響も悪い影響も沢山受けております。
ですが、同じ受けるのでしたら当然いい影響の方がお互いにとっていいはずであり、 困難な事態の乗り越え方なども、親の対処の仕方から学べることはずだとしております。
そのためには、両親が離婚という事態に直面してもなお、心身ともに健康であることが望ましいと考えました。
健全であるための条件として・・・
- 自分自身が、普段からやりたいこと(楽しめること)を持っている
- 子どもや家族のためといった、我慢ばかりしない(~しなければならないばかりだとキツい)
- 日々の日常のことを、きちんと自分で納得して決断できているかどうか(立場的なものからの影響を受け過ぎないで)
また、親の離婚を経験した当事者で、結婚なさっている方からも
- 夫婦の長く続く秘訣→会話(日常における)が多い
- お互いをより深く理解するために、会話以外のコミュニケーション方法も大事
これらの意見をいただきました。
自分たちが考えたことは、特別なことでは無く普段の生活から大切にしたいことだと思います。
これらの意見が、現在離婚をするかどうかなどで色々悩んでおられる親の方にも、参考になれば幸いです。
両親と上手くいかなくなった原因
また、両親との関係において、親の離婚を受けて関係が上手くいかなくなった内容についても意見をいただきました。
- 子どもの意見を尊重してくれない→自己肯定感が育まれない
- 子どもは親に従うものという前提を感じている。「いや」とか「でも」といった言葉で頭から否定されると、会話したくなくなる
- 親と子は別々の感覚を持っている存在であることを認識してほしい
これらの意見は、親子関係を考える上で大事な要素かと思います。
当然ながら、親が離婚をしていてもしていなくても、普段から子ども本人の気持ちを考えて、どうしたらお互いを尊重し合えるか考えるべきなのではないかと思いました。
兄弟でも受け取る印象は異なる
他の話し合いで出た意見として
「兄弟でも、両親の離婚への受け取り方は異なる」ということが、わかりました。
- 「長男」、「末っ子」など立場としての影響や、自身が生まれた時点で両親が離婚しているか、していないかの違い→別れた親のことを認識できているかどうか
など、時と場合によって影響は千差万別と言えるのではないかと思います。
また、「兄弟が大人になったあとでもこの影響は続く」という意見もありましたので、同じ家族だからと言って、一概に同じ対応をしてほしくないという想いも、忘れず大事にしていただきたい視点だと思います。
離婚において発生する“選択肢”の葛藤
親の離婚を経験する子どもは、数々の選択肢を与えられるとされております。
しかし、それらの選択肢は、時として子どもに大きな壁となるのかもしれません。
- 自分で決められる自由な要素がほとんどなかった
- 転校などをほぼ強制的にこなさなければならない
- 周りに振り回されてきた結果、友人や頼れる人への依存度が上がった
今回意見を伺って思ったことは、たとえ選択する権利を与えられたとしても、ほとんど子ども本人の意思は反映されにくいのではないか?ということでした。
離婚によって環境が変わるのは、家族全員です。
当然ながら、まずは親自身が、自分の環境を整えなければならないため、子どもの意見が優先順位として個人より低く見られているのかもしれません。
子どもからしてみれば、環境が極力変わらないことに越したことはないと思います。
家族として新しい道を考えた時、全員できちんと話し合い、納得できる方向へ努力すべきだと考えました。
“急激な成長”の影響
今回学んだことに、子どもは両親の離婚によって、良くも悪くも「急激な成長」することを迫られるとありました。
その成長も、多くの葛藤を通して行われるため、一概にいいことばかりとは言えないようです。
- 自分がちゃんとしていないといけない
- 片親だからああなのだと、親も馬鹿にされないようにしなければ・・・→背伸びをしてしまう
- そこにいさせてもらうために、気を張っていた
- 見えない親からの期待に重圧を感じている(たとえ親自身が意識していなくとも)
また、逆の意見も伺えました。
- 努力した姿勢を評価してもらえなかった→結果として頑張りすぎなくなった
- 期待に応えなくてもいいと感じるようになった
これらの成長を子ども自身がどう捉えられるか、どう自分の未来に活かすことができるかが今後重要なことだと考えます。
“期待”というものから考えたこと
急激な成長に伴うこととして、「他者への期待」というものが挙げられております。
両親から大人へなることに応えてきた子どもたちは、大変な努力家であると言えそうです。
その結果として大人に成長した時、人間関係において以下のような形を取りがちという意見を伺いました。
◆仲間、他者への期待感
- 仕事などで、自分に対してのプレッシャーを強くしている
- 自身はそこを受け入れることができるので、他者へも同じ感覚を求めてしまう
- 期待に応えてくれないとがっかり
これらのプロセスは参加者全員から共感を得られたので、ある意味自分たちのような成長を遂げた人にとって共通事項といえるのかもしれません。
しかし、そのような事情は人それぞれであり、自分が関わる全ての人に努力も押し付けることは、お互いにとってストレスの要因となりうるでしょう。
ですので、人間関係のバランスを少し緩めるために
- 相手に過剰な結果を期待しない→与えるだけの者へ(自己が余裕のある範囲において)
というような、心の在り方も学んでいくべきかと考えました。
また、既婚者の方からは、夫婦間におけるパートナーへの”期待”についても伺いました。
◆夫婦間での期待
- 特に何もしない。相手に求め過ぎない(自分の親が離婚しているからこそ、やり過ぎるとそれが自分にも起こる可能性はあるので…苦笑)
- お互いが自立していることが重要
- 時として、お互い言いたいことも言い合う
- 理解できない事柄は、冷静にメリット、デメリットを比較して、妥協できる部分を受け入れる
この辺は、ご自身の過去の経験を元に、現在に活かされている好例だと思います。
積極的に学べる姿勢だと言えるでしょう。
さいごに
「両親の離婚」という出来事に対して、しっかりと学ぶべきことを学んで、未来に活かしていくことが、自分たちの過去に対して肯定的な目で見られるようになる有効な方法かと思います。
今後も、このような肯定的な側面を発見し合える関係というものを大切にしていきたいと考えております。
次回の学習会では、離婚によって起こる様々な感情について学ぶ予定です。
もしご興味をもたれた方がおりましたら、積極的にご参加いただければと思います。
それでは
(平賀)